研修会概要
<講師からのメッセージ>
姿勢が悪い、体操や球技が下手、ハサミ・定規などをうまく使えない、ひらがなや漢字をうまく書けない…これらは、いわゆる「発達障害」のある子どもたちによくみられる苦手さです。彼らは、他の多くの子どもたちが、苦労することも無く、簡単にできていることがうまくできず、つらい思いをしています。このような子どもたちでも、がんばればある程度上達するので、大人は「一生懸命繰り返せば、何とかできるようになる」と期待して熱心に練習させてしまいがちです。しかし苦手な原因を理解せずに難しい練習を強いることは、子どもたちから自信を奪い、挑戦する意欲を失わせてしまいます。
今年度も計6回の連続講座で感覚統合の考え方とその活用方法を皆さんと学んでいきます。各回とも画面越し(カメラOFFでも可)で簡単なワークを行いながら理解を深め、子どもたちが「なぜ苦手になっているのか」を考える視点を学びます。今年度は各回の後半でケース検討会も行い、支援の実際について検討する予定です。 なおこの講座は、過去に実施した同講座の内容を再構成し、部分的にアップデートした内容となっています。各回単発の参加も大歓迎ですので、ふるってご参加ください。
【ケース検討会の概要】
・各回の最後の20~30分を使って、ケース検討会を行います。参加者が支援している事例を紹介していただき、講義内容をふまえて事例の苦手さについて解釈し、支援方法を考えていきます。
・事例を出された方はカメラONにしていただき、講師(松本先生)と対話しながら進めていきます。
・できれば各回のテーマに関連した質問や苦手さがある事例が望ましいです。テーマに当てはまらない事例に関しては、講義の中で質問にお答えしたり、他の回で取り上げたりすることも検討します。
・開催1週間前までに事例の概要(個人情報に配慮した内容で)と質問を、以下の「質問ボックス」からお送りください。
・事例の採用不採用の結果は開催3日前までにご連絡します。
<松本先生への質問ボックス>
・ケース検討会の事例とは別に講義内容に関する質問も受け付けます。
・開催日1週間前までに以下の質問ボックスからお送りください。(スライド等を使って回答したり、講義に回答を組み込む場合があり、準備に時間が必要なため)
・時間等の関係で、すべての質問にお答え出来ない場合もあります。
・質問例「字の形やバランスが調節できない児童への指導について」「なわとびがうまく飛べない子への指導例」「鉄棒で回転することを怖がる子への支援」「ジャングルジムで高いところに登れない場合の対応」など。
<担当講師>
松本 政悦先生(横浜市北部地域療育センター 作業療法士)
▼講師プロフィール
宮城県仙台市生まれ。東北大学大学院精密機械工学科修了。国立仙台病院附属リハビリテーション学院卒業。なぜか幼児期から運動や楽器演奏が苦手。大学は自宅から歩いて通える工学部に進学したが、(今考えてみると)周囲には発達障害圏の学生が多かった。学生ボランティアで自閉症の子どもたちと関わり、思いがけず楽しい経験(自分の中の自閉症的な部分が共鳴?)。その後電機メーカーに就職し4年間研究開発に携わるも、機械相手の仕事に満足できず退職。作業療法士が障害のある子どもに関わる場面をたまたま目にして衝撃を受け、養成校に入り直す。以後25年以上、障害のある子どもたちに関わり続け現在に至る。
【主催】神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
▼ 開催方法
生ライブ配信(Zoomミーティング利用)によるオンライン研修
開催前日(概ね11:00~15:00の間)にZoomID等のご案内をメールにてお送りいたします。
▼ 申込期限
開催日2日前 午後3時
お申し込みは、下記「参加申込」ボタンからのオンラインフォーム限定となります。
開催日時&当日スケジュール
▼ 開催日時
第1回 2024年9月28日(土)20:00-22:00
■感覚統合の視点からみた「発達障害」
発達障害のある子どもたちにみられる不器用さ、苦手さ、気になる行動には原因があります。感覚統合の考え方を紹介しながら、これらの原因をわかりやすく解説し、発達障害の捉え方を再考します。
■感覚統合の「感覚」ってなに? -前庭覚と固有覚のはたらき-
感覚統合理論では「前庭覚」と「固有覚」という、5感には含まれていない2種類の感覚情報を重要視します。実体験を交えながら、これらの感覚のしくみと働き、関連する機能などについて解説します。
■感覚統合の視点からみた「あそび」の意味
定形発達の子どもたちは、日々の遊びを通してさまざまな機能を発達させています。感覚統合から見て、子どもたちの遊びにはどのような意味があるのかを考え、これらの知識を活用した発達障害のある子どもたちのための遊びや学習支援の例を紹介します。
■発達障害のある子どもたちとのコミュニケーション
発達障害のある子どもたちへの支援には、必ずコミュニケーションの要素が含まれます。他者と関わることに様々な苦手さがある子どもたちと、どのようにコミュニケーションしていくことが有効なのか、コミュニケーションの発達にどう支援できるのか、感覚統合の視点から考えます。
■「意識下機能」の育て方 -行為機能と運動学習-
粗大運動や巧緻操作が練習によって「習熟する」「熟達する」ということは、意識下で自動的に使える機能が増加する、ということです。そのために必要な「行為機能」について解説し、運動・操作の学習・習得を支援する方法とその原理について考えます。
■字を書くことも運動! -文字学習と感覚統合理論-
発達障害のある子どもたちの就学後に多く見られる問題として、文字を書くことの苦手さがあります。なぞり書き、模写、繰り返し書く、という一般的な練習方法は、発達障害のある子どもたちにとっては「苦行」になる場合があります。書字の苦手さの原因と、文字学習の支援例について考えます。
時間 | 内容 |
19:50~ | オンライン受付開始 メール送付されたURL(Zoom IDとパスコード)に接続してください。 |
20:00 | 開会・ごあいさつ |
20:00~21:00 (60分) |
前半 |
21:00~21:05 (5分) | 休憩 |
21:05~22:00 (55分) |
後半 |
22:00 | 閉会 |