研修会概要
<講師からのメッセージ>
姿勢が悪い、体操や球技が下手、ハサミ・定規などをうまく使えない、ひらがなや漢字をうまく書けない…これらは発達障害の子どもたちによくみられる苦手さです。彼らは、他の多くの子どもたちがいとも簡単にできていることが思うようにできず、つらい思いをしています。このような子どもたちも、練習によってある程度上達するので、大人は「一生懸命繰り返せば、何とかできるようになる」と期待して熱心に練習させてしまいがちです。しかし苦手な原因を理解せずに難しい練習を強いることは、子どもたちから自信を奪い、挑戦する意欲を失わせてしまいます。
この講座では、発達障害の子どもたちの苦手さの原因を理解し、支援の手立てを考えるために役立つ感覚統合の考え方とその活用方法を皆さんと学んでいきます。各回とも画面越し(カメラOFFでも可)で講演を聴講し、簡単な実技・疑似体験も行いながら理解を深め、子どもたちが「なぜ苦手になっているのか」を考える視点を学びます。
前半3回の「基礎・理論編」は、初めて感覚統合を学ばれる方、基礎から復習したい方向けの内容です。感覚統合理論の基本を具体例を挙げながらわかりやすく解説します。 後半3回の「応用・実践編」は、以前に「感覚統合の基礎基本」を受講したことがある方、あるいは感覚統合について実践的に学びたい方向けの内容になっています。「コミュニケーション」「行為機能」「書字」をテーマにします。
各回単発の参加も大歓迎ですので、ふるってご参加ください。
<松本先生への質問ボックス>
・開催日1週間前までにお送りください。(スライド等を使って回答する場合があり、講師がその準備をする時間が必要なため)
・時間等の関係で、すべての質問にお答え出来ない場合もあります。
・質問例「字の形やバランスが調節できない児童への指導について」「なわとびがうまく飛べない子への指導例」「鉄棒で回転することを怖がる子への支援」「ジャングルジムで高いところに登れない場合の対応」など。
<担当講師>
松本 政悦先生(横浜市北部地域療育センター 作業療法士)
▼講師プロフィール
宮城県仙台市生まれ。東北大学大学院精密機械工学科修了。国立仙台病院附属リハビリテーション学院卒業。なぜか幼児期から運動や楽器演奏が苦手。大学は自宅から歩いて通える工学部に進学したが、(今考えてみると)周囲には発達障害圏の学生が多かった。学生ボランティアで自閉症の子どもたちと関わり、思いがけず楽しい経験(自分の中の自閉症的な部分が共鳴?)。その後電機メーカーに就職し4年間研究開発に携わるも、機械相手の仕事に満足できず退職。作業療法士が障害のある子どもに関わる場面をたまたま目にして衝撃を受け、養成校に入り直す。以後25年以上、障害のある子どもたちに関わり続け現在に至る。
【主催】神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
▼ 開催方法
生ライブ配信(Zoomミーティング利用)によるオンライン研修
開催前日(概ね11:00~15:00の間)にZoomID等のご案内をメールにてお送りいたします。
▼ 申込期限
開催日2日前 午後3時
お申し込みは、下記「参加申込」ボタンからのオンラインフォーム限定となります。
開催日時&当日スケジュール
▼ 開催日時
感覚統合講座 前半「基礎・理論編」
第1回 2025年9月20日(土)20:00-22:00
■発達障害のある子どもを深く理解し楽しく関わる -感覚統合による支援の具体案-
発達障害のある子どもたちにみられる不器用さ、苦手さ、気になる行動には原因があります。感覚統合の基本を解説しながら、子どもと楽しく関わり、子どもの機能を高めることができる具体的な支援の様子を紹介していきます。
第2回 2025年10月18日(土)20:00-22:00
■感覚統合の「感覚」ってなに? -その1 前庭覚のはたらきと意味-
感覚統合理論では「前庭覚」と「固有受容覚」という、「五感」には含まれていない感覚情報を重要視します。まずは前庭覚について、そのしくみと働き、および発達障害のある子どもとの関連を解説します。
第3回 2025年11月22日(土)20:00-22:00
■感覚統合の「感覚」ってなに? -その2 固有受容覚のはたらきと意味-
「固有受容覚」は運動や操作に重要な働きをする感覚情報ですが、その働きは一般医にほとんど知られていません。この感覚について詳しく解説し、不器用な子どもたちへの支援について考えます。
第4回 2025年12月20日(土)20:00-22:00
■感覚統合とコミュニケーション
発達障害のある子どもたちへの支援には、必ずコミュニケーションの要素が含まれます。他者と関わることに苦手さがある子どもたちに対して、感覚統合の視点からどう支援できるのか考えます。
■「意識下機能」の育て方 -感覚統合による運動学習の支援-
粗大運動や巧緻操作が練習によって「習熟する」「熟達する」ということは、意識下で自動的に使える機能が増える、ということです。そのために必要な「行為機能」について解説し、運動・操作の学習・習得を支援する方法について考えます。
■字を書くことも運動! -感覚統合による学習障害のある子どもの理解-
学齢期の発達障害のある子どもに多く見られる問題として、文字を書くことの苦手さがあります。なぞり書き、模写、繰り返し書く、という一般的な練習方法は、発達障害のある子どもにとっては「苦行」になる場合があります。書字の苦手さの原因と、文字学習の支援例について考えます。
時間 | 内容 |
19:50~ | オンライン受付開始 メール送付されたURL(Zoom IDとパスコード)に接続してください。 |
20:00 | 開会・ごあいさつ |
20:00~21:00 (60分) |
前半 |
21:00~21:05 (5分) | 休憩 |
21:05~22:00 (55分) |
後半 |
22:00 | 閉会 |