研修会概要
このセミナーは、2021年12月に逝去された玉井邦夫先生を偲んで、当協会主催でアンコールセミナーとして開催するものです。講演自体は、2013年8月に収録した玉井先生の講義を配信させていただきます。
なお、このアンコールセミナーでは、皆さまから頂戴した参加費の一部を、ダウン症関連の支援団体へ寄付させていただきます。
<講師からのメッセージ>
2012年、ダウン症を中心とした新しい出生前診断技術の登場が報道されました。一連の報道の一端を見聞きされた方も多いと思います。当事者にとって騒動としか言いようのないこの事態に対処する中で、ダウン症がいかに知られていないかということを痛感させられました。そして、それは決して一般市民の問題ではなく、実は支援者と呼ばれる方たちでも同様の実態があるのではないかとも思わされました。
ダウン症は、その数の多さもあって、早くから早期療育が唱えられ、あたかも解明されたかのような印象を持たれています。しかし、この10年ほどの間に、成人期を中心にしてあらためて「ダウン症は難しい」という声が現場から聞かれるようになってきました。ダウン症はどうしても「知的障害」という括りで語られてしまいますが、支援の実態を細かく検討していくと、決してそうではないことに気づきます。
このセミナーでは、ダウン症についてさまざまな角度から見直す機会を提供したいと考えています。そのため、ダウン症を「知的障害」という括りから解き放って、生涯発達の視点からさまざまな支援の糸口を検討します。特に成人期については、「40代で地域生活」というモデルがほとんどない中で支援者の模索が続いていますので、いかに可能性のある年代かということを伝えたいと思います。また、常にダウン症が出生前診断の対象として取りざたされる背景に何があるのかについても私見を述べたいと思います。
LD協会のセミナーとしてはテーマが異質と思われるかもしれませんが、ダウン症ほど知られた状態についてすら今も多くの誤解に囲まれているという発見を通じて、「発達障害」についても思いをはせていただきたいと思います。一人ひとり違うダウン症の子ども/成人に対しての支援方法を編み出していくための考え方、といったものをお伝えしたいと思っています。
※配布資料付き(開催当時に配布のもの)
<担当講師>
玉井 邦夫 先生
▼講師プロフィール
1959年生まれ。2021年12月31日逝去。東北大学大学院教育学研究科修了後、情緒障害児短期治療施設にセラピストとして勤務。その後、山梨大学教育人間科学部准教授のあと大正大学心理学部教授に着任。著書に『発達障害の子どもたちと保育現場の集団づくり 事例とロールプレイを通して』(かもがわ出版、2009年)、『ダウン症の子どもたちを正しく見守りサポートしよう』(日東書院本社、2012年)、『本当はあまり知られていないダウン症のはなし』(神奈川LD協会、2015年)、『保育所における保護者支援』(明石書店、2018年)など。
【主催】神奈川LD協会(公益社団法人神奈川学習障害教育研究協会)
▼ 開催方法
オンデマンド配信によるオンライン研修 ※配信終了日9/30
7/20までの入金確認分は7/21に、7/21以降の入金確認分は入金確認後5日以内に「視聴ご案内」をメールにてお送りいたします。
▼ 申込期限
9月20日(金)午後3時
お申し込みは、下記「参加申込」ボタンからのオンラインフォーム限定となります。
配信期間&講演内容
▼ 配信期間
2024年7月20日(土)~9月30日(月)
▼ 講演内容
時間 | 内容 |
70分 | 講義1 ダウン症-「知的障害」ではすまされないその「特性」- |
75分 | 講義2 ダウン症支援の課題 -青年期から成人期を見通して- |
65分 | 講義3 ダウン症の家族支援 |
70分 | 講義4 出生前診断をめぐって -近代科学と障害者観- |
参加登録(申込)
▼ 参加費(1つのアンコールセミナーにつき)
一般 4,500円賛助会員※1 4,000円
正会員※1 3,000円
ユース※2 3,000円
※1 | 神奈川LD協会の正会員・賛助会員です。 |
※2 | 「ユース(YOUTH)」は、誕生日が1997年(平成9年)以降に生まれた方が対象です。 申込時に証明書類(免許証等の顔写真・年齢確認できるもの)アップロードが必須です。 |